フキ抽出物は、効果的に季節性アレルギー鼻炎に効き目をもたらす。

出 典 : 季節性アレルギー鼻炎処置に関して、フキとセチリジンの無作為コントロール法を用いた実験。BMJ2002;321:1-4 

実験方法 : 無作為、二重盲験、平行グループ比較 

参加者 : 18歳以上の男女、少なくとも過去2年継続的に季節性アレルギー鼻炎を患った経験を持つ患者125名  

投薬及び投与法 : 患者は、無作為に一錠のフキ抽出物タプレット(1錠毎に総ベタシン8.0mg含有するよう調整されたもの、ZE339)あるいは、1錠当たり10mgのセチリジンのいずれかを、夕方に摂る様指示された。無作為法として、全ての患者を二つのグループに分けた。そして全ての患者に5錠ずつ与えられた。その内の4錠は、プラセボ又はフキである。残りの一錠はセチリジンあるいはプラセボのどちらかが入っているものである。  

期 間 : 2週間  

結果の測定法 : 主要測定結果として、健康に関する質問(SF-36)をし、医学的変化をスコアーの変化で見るという方法を取った。項目ごとにベースラインとの比較をしたものである。このSF−36質問書は、自己査定用に作られており、質問は、分類体系的に8つのカテゴリーにグループ分けされている。そして、グループアイテム毎に0−100の質問が設けられている。またこの質問表は、前年度の病状との比較のため、5段階評価のカテゴリーが設けられている。副次的測定結果として、医師の臨床包括的印象スケール(CGI)が用いられた。仮説は、フキがセチリジンに劣るものではないものとし、最終的にSF-36におけるスコアーが10%以上劣らないこと、あるいはCGIにおけるスコアーがワンポイント以上劣らないことを要求した。  

主要結果 : 両グループともSF-36におけるスコアー及びCGIにおけるスコアー何れも同じような有効性が見られた。主要結果分析によると、フキはセチリジンより劣るという仮説を覆したものであった。と言うのは、フキグループのスコアーがセチリジングループのスコアーより10%以上劣るということを示した事が一つもなかったからである。副作用について云うと、全体的には両グループ共、類似したものであったが、セチリジングループには、その2/3が眠気と倦怠感を訴えた。これはフキのグループには見られなかったことである。  

実験の意味 : この実験はフキグループ、セチリジングループの二つだけで、プラセボグループについて行はれていない。しかし、フキ抽出物は季節性アレルギー鼻炎に伴う症状の軽減に抗ヒスタミン剤セチリジンと同じほどの効き目があるということを示唆している。フキ抽出物の有利性は、多くの抗ヒスタミン剤に見られるような眠気、倦怠感といったものを伴わないことである。この実験に用いたフキ抽出物製品は、現在アメリカ合衆国で入手することは出来ないが、1カプセル当たり7.5mgのペタシンpetasine(petasinとも呼ばれる)を含む製品は商品化されている(Petadolex,WeberandWeber,USA)。  

注 : フキは、ピロリジディンアルカロイドpyrrolizidine alkaloids(PAs)という物質を多かれ少なかれ含んでいる。この成分は肝毒性を引き起こすものである。だから、フキを抽出する場合にはペタドレックスのようにPAsを取り除いてしまうことが重要である。  

著者について : Dr.Donald Brownは、自然治療派の医師であり、EBNM(evidence-based natural medicines)の分野における全米屈指のオーソリティーでもある。彼はシアトルにあるバスティーア大学のNatural Health Sciences(自然健康科学)の客員教授でもあった。また、Natural Product Research Consultants社の創立者であり、役員として活躍中である他、American Botanical Council(ABC)の顧問委員、バスティーア大学学長顧問委員会メンバー、更に彼はNIH(National Institutes of Health)のODS(Office of Dietary Supplement)のアドバイザーでもある。その他、科学志向のサブルメント会社、製薬会社のコンサルタントとしても活躍中である。